サブプライム問題
今回はWebと全く関係ありませんが、世間を賑わしているサブプライム問題を取り上げたいと思います。
■ サブプライム問題とは
アメリカでは信用力のある富裕層のことをプライムと呼び、信用力のない低所得者や信用力の低い個人層をサブプライムと呼んでいます。そしてサブプライムローンとは、低所得者や信用力の低い個人層へ向けた住宅ローンのことです。
具体的には、下記の項目に該当する人たちがサブプライムという位置づけです。
- 過去12ヶ月間に30日間以内のローン返済延滞が2件以上、または過去24ヶ月間以内に60日以内の延滞が1件以上ある
- 過去24ヶ月間に法定判決、抵当物件の差押え、担保回収、ローンの不払いがある
- 過去5年間に自己破産がある
- 信用調査機関のリスクスコアが所定の値を下回る。
サブプライムローンは、信用力の低い個人にお金を貸すという性質上、通常のローンよりは高い延滞率が発生することを予想してはいましたが、その予想を大幅に超える延滞率が発生しました。
サブプライムローン問題が表面化したのは、今年の3月にニューヨーク証券取引所がサブ・プライム・ローン大手会社を上場廃止にしたのがきっかけです。
なぜ高い延滞率が発生することが分かっていたのにも関わらず、こういった人たちに無理やり住宅ローンをすすめたのでしょうか?
答えは簡単です。
儲かると思われていたからです。
アメリカ全体の約4割がサブプライム層と言われており、市場が非常に大きいことと、不動産の価格が右肩上がりで上昇していことが、儲かると思われていた要因です。
仮にローン返済が滞ったとしても、担保に入れている不動産を売却すれば利益が出ると安易に考えたんですね。さらにサブプライム層にお金を貸す場合、過去にキズがあるので必然的に金利が高くなります。
不動産にしろ株にしろ、上がり続けるという事は絶対にありません。今回のサブプライム問題は、十数年前日本で起きたバブル崩壊に似たものがあると思います。当時の日本でも不動産や株は上がり続けると思われていました。
■ サブプライムが世界同時株安を牽引
サブプライム問題に端を発し、世界同時株安が起こりました。なぜサブプライムローン問題が株安に通じるかと言うと、ローン債権を何千、何万と束ねて証券化(REITのようなもの)し世界中のヘッジファンドが商品として売り出していたからです。
サブプライムローンの焦げ付きは、2007年8月現在、30兆円超と言われています。これはイコール30兆円分の担保不動産が市場に出回ることになり、供給過多になった不動産市場が下落していくのは当然です。
不動産価格が上昇しつづけるというバブルな状態であれば、サブプライムローン債権などを証券化した商品に投資すれば、高い利回りで儲けることができます。しかし、サブプライムローンが成立すには、不動産価格が上昇しつづけることが前提条件なので、いづれ破綻することは誰の目にも明らかだったはずです。
サブプライムローン債権に頼って、ファンド運用していたヘッジファンドが破綻しはじめ、銀行や投資家が資金を回収するために、ファンドを解約したり株を売ったりします。
■ 円高とサブプライム
サブプライムローン債券はアメリカのファンドだけではなく、全世界のファンドが保有していましたので、すべてのファンドが影響を被ります。こうなると米ドルに対する動きが大きくなりますので、急激に円高が進行することになります。
円高が進むと多くの輸出企業の減益要因となり、
これだけ急激に円高が進んでしまうと、この連日の暑さも相まってパニック的な手仕舞い売りが先行する状況になります。円キャリートレードでレバレッジを効かせているヘッジファンドなどにおいては、ポジションを縮小し円キャリーを解消、そして円高→円キャリー解消しポジション縮小という∞ループに陥ります。
今期、第1四半期の業績好調は円安頼みだった企業が多く、その前提条件が崩れてしまうと、特に輸出企業は業績好調とは言えなくなってしまいます。
■ 日本市場崩壊
8/17の日経平均は、前日比の-874円(-5.42%)の15,273エンで取引を終えています。ここ数日で1年分の上昇が泡と化したことになります。
これが下落の始まりなのか終わりなのかはわかりませんが、バブル崩壊初期はだれしも直ぐに回復すると思っていたようです。
ロングで入っている個人(特にFXや信用取引)は現実を受け入れることを拒否しがちですが、ここで私から格言を一つ。
「目の前の株価が常に正しい」
今まで上がり続けていようが、下がり続けていようが、直ぐに戻るだろうと考え損ぎりしないのは大変危険なことです。あなたの感情と株価の上下に関連性はありません。現物ならまだしも、大きなレバレッジをかけている人たちは取り返しのつかないことになりますよ。
記録として2007/08/17の日経平均を貼っておきます。
P.S.
今年の流行語大賞は「サブプライム」と「どんだけ〜」の一騎打ちになりそうです。でもそんなの関係ねぇ。
【用語解説】
- REIT : 不動産投資信託。不動産からの収益を投資家へ還元する金融商品のうち、とくにその受益権が証券として扱われる商品。
- ヘッジファンド : 機関投資家や富裕層等から私的に大規模な資金を集め、金融派生商品等を活用した様々な手法で運用するファンド。
- 日経平均 : 日本経済新聞社が、東証1部の代表的な銘柄225種を選んで、その株価を平均化して発表する株価水準の指標。
- 円キャリートレード : 低金利の円で投資資金を調達し、それを外貨に換えて高い収益が期待できるものに投資する手法。
- レバレッジ : てこの原理。少ない資金で借金して大きな金額を動かすこと。FXが流行り素人には大変危険な行為。
- FX : Foreign Exchangeの略。外国為替証拠金取引のこと。
- ロング : 株式などを買いから入ること。逆に売りから入ることをショートと言う。
- 信用取引 : 株式や株式購入の資金を証券会社より借り入れて株の売買を行う投資手法のこと。
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