Web コラム

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2007/09/08

TOB失敗により外国人投資家が消える日も近い!?

■ スティール・パートナーズ、
        ブルドックに対する敵対的TOB失敗

スティール・パートナーズによる、ブルドックソース買収のTOB(株式公開買い付け)防衛策に関して最高裁の下した判決は、今後の日本経済を揺るがしかねないものでした。

日本の株式市場の40%は外国人投資家です。外国人投資家が日本を見放した場合、日本はどうなってしまうのでしょうか?

今回のTOBの一連の流れを簡単に説明しますと、スティール・パートナーズは、ブルドックソースを買収するために、既存株主に対しTOBを実施することを明言します。

それに対しブルドックソースは、買収防衛策として「スティール・パートナーズ以外の株主には発行済み株式数の4倍にあたる新株予約券を発行し、スティール・パートナーズには新株予約券の代わりにそれに相当する金額を渡す」という防衛策を発表します。

これにより、全体の株数は増えてもスティール・パートナーズの持ち株数は変わらないので、スティール・パートナーズの持ち株比率が下がり、経営権を握ることは難しくなります。

それに対しスティール・パートナーズは、ブルドックソースのTOB防衛策は無効であると訴え裁判を起こします。

判決結果は、ニュースなどでご存知のとおり「スティール・パートナーズによる抗告を棄却し、株主総会で決定したブルドックソースの買収防衛策を適法と認める」というものでした。

これによりスティール・パートナーズのブルドックソースに対するTOBは失敗に終わります。

■ 最高裁が日本企業を援護

スティール・パートナーズ以外の株主が、今の4倍の株をもらうことが適法かどうかを争うはずの裁判で、最高裁は、「もらう側の株主が株主総会で、買収防衛策に賛成したのだからそれは適法である」というありえな〜い判決を下したのです。

以前から日本には、TOBを嫌う傾向が強くありましたが、資産を溜め込んで株価が安値で放置されているのに何もしない企業は、買収されて当然です。諸外国では敵対的TOBは、頻繁に行われており、経営陣は自社の価値を高め、株価を上げることに尽力します。

今回のスティール・パートナーズのTOBが、利益追求のみを目的に行われたことであることが、こういった判決を下す要因になったとするのであれば、スティール・パートナーズに限らずすべての投資家が悪者になってしまうのではないでしょうか。

現在、株式市場には個人投資家も含め、様々な投資家が参加してします。ヘッジファンドのような投資の専門家もいれば、短期間で売り買いを繰り返すディーラー、デイトレーダー、なんとなく参加している人など様々です。

株を所有することは、その会社を所有することであることは間違いありませんが、大部分の投資家は、キャピタルゲイン(値上りによる利益)を求め市場に参加しています。

今回のブルドックソースの買収防止活劇により、外国人投資家は日本のことを今まで以上に「他の国ではありえない論理が横行する国」と見なしたことでしょう。

さらに今回は、証券取引所などの一機関が判断したことではなく、国家の最高司法機関である最高裁判所が下した判断ということで、日本はいざとなれば怠慢な経営者を全力で死守する、という解釈を与えてしまったことになります。

外国人投資家にとって日本市場は、市場論理の通じない、投資するには危険な場所と映っている可能性が高いです。

ブルドックソースという一中小企業を守るために、日本は世界の投資家を敵にまわしたことになります。

裁判官は、そこんところを理解しているのでしょうか?

■ 自分が大好きニッポン!

ダヴィンチ・アドバイザーズがテーオーシーに仕掛けた、日本企業同士では初めての敵対的TOBも不発に終わり、今の日本ではTOBは成立しないことを印象付けてしまいました。

9/4には、「軍事転用が可能な技術の流出を防ぐ」ことを名目に、日本企業を買収する外国人投資家に対し、事前の届け出を義務付けた「対内投資規制」の対象を拡大し、工作機械や電池など百三十七品目を追加することを閣議決定しています。


ぬくぬくと私腹を肥やすだけの経営態勢で、なんの弊害も受けず大手を振って歩けてしまう国が今の日本です。

ビバ!鎖国大国ニッポン!!

著者:pacificus
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